成木になると圧倒的な存在感を放つ、チリ原産の大型ヤシ。極太で滑らかな幹はゾウの脚、Elephant Foot Palmとも形容され、一般的なヤシとは一線を画す重厚な樹形を形成します。
本種の最大の特徴は、羽状葉でありながら非常に剛直で厚みがあり、風にも大きくなびかない重厚な葉姿です。軽やかに広がるフェニックス系やシアグルス系とは異なり、密度のあるクラウンはコンパクトにまとまり、成熟個体では圧倒的な「塊感」と安定感を生み出します。
また、ヤシの中でも特筆すべき耐寒性を持ち、-14℃前後まで耐えるとされるため、温帯地域での露地栽培が可能な数少ない大型ヤシの一つです。耐寒性と景観価値を兼ね備えた「庭木として成立するヤシ」として、欧米でも高く評価されています。
さらに、本種は古くから利用価値の高いヤシとして知られ、幹から採れる樹液はシロップや発酵酒(パームワイン)として利用されてきました。果実は黄色〜オレンジ色に熟し、内部の種子は「コキートナッツ」と呼ばれ、アーモンドのような食感と濃厚なココナッツ風味を持つ食用資源としても知られています。
成長は緩やかですが、その分、年月とともに唯一無二の風格を形成し、長期的に価値が高まるヤシです。フェニックス系やシアグルス系にはない「重量感と構造美」を備えた、本格的な大型ヤシです。
○学名:Jubaea chilensis
○科名:ヤシ科
○属名:Jubaea属
○原産地:チリ
○耐寒温度:-14℃前後(環境により変動)
※画像は参考画像です。